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富士市の瓦礫受入について6
「がれき受入」の件に関しては廃棄物対策課に確認していますが、特に新たな動きは見えてきません。
27日の富士ニュースによると、11/2~16の間に113件の問い合わせがあり、その90%が反対意見だったようです。ただし現在は市への問い合わせはほとんど無いようです。

市長が突然「受入前向き発言」をし、多くの反対の声が届いたにもかかわらず、何のメッセージも出さないのは理解できません。
現在は市へ問い合わせても、「何も決定していないので説明しようがありません」という答えになると思います。
それなら次は市長へ直接説明を求めて行くべきでしょうか?

いずれにしろ環境省の「災害廃棄物の広域処理の推進について」を、もう少し詳しく調べておこうと思い廃棄物対策課を訪問しました。
しかしそこまで検討していないということでしょうか?あまり詳しい話は聞けませんでした。

「災害廃棄物の広域処理の推進について」整理してみました

そんな訳で今回は基本的な部分を、整理してみました。
次の資料は環境省が広域処理を安全だとする理由です。
どうにもわかりづらいですが、まだご覧になっていない場合は参考までに!
「災害廃棄物の広域処理の推進について」プレゼン形式説明資料→→
「災害廃棄物の広域処理の推進について」→→

例によって従来の基準値を8000Bq/Kgに引き上げ、それ以下だから安全ですという説明です。
空間線量の20mSv/yや食品の500Bq/Kgと同様に、それ自身の安全性についての説明が不十分のまま、その基準値が正しいとしているため多くの混乱が生じています。
この8000Bq/Kgを危険だと感じている多くの人は、環境省の話を最初から拒否することになってしまいます。

1.震災前の基準と現在の基準

■上の図は震災前の基準
■下の図は現在の基準
大幅に甘い基準を採用しています。
(なお下図の計算には焼却時の濃縮率は、33倍で計算しています)
・基本的に埋め立て処理する場合の基準を100Bq/Kgから8000Bq/Kgに引き上げました。

瓦礫処理方針比較

環境省の資料の中では、大気中への放射性物質の放出はバグフィルターで99.9%除去できると書かれていますが、本当に大丈夫でしょうか?
こちらの反論もご覧ください。(2011年11月7日環境ジャーナリスト/青木泰氏→→
バグフィルターについては5ページ~。
また設備の状況によりその効率は当然変化します。
富士市の焼却場は25年も前のものです!当然、放射性物質の処理のことなど考慮されていません。

また本日(12/02)焼却場のある環境クリーンセンターで、主灰と飛灰の重量比を教えてもらうために訪問した際に、富士市の焼却場はバグフィルターを使用していないことを知りました。
電気集塵機だそうです。
環境省の資料には「電気集塵機を設置している焼却施設について、併せて活性炭吹込装置などの排ガス吸着能力を有する設備を設置しているものは、排ガス濃度のモニタリングにより安全性を確認しつつ災害廃棄物の焼却を行うことが可能である。」
と記されていますが、可能かも知れないですが、可能ではないかもしれないということではないでしょうか?

現在富士市の飛灰は、震災前の基準値を超えているのは事実です。(7月279、11月153Bq/Kg)
本来ならこのような老朽施設で焼却しているのであれば、すぐにでも大気中への拡散に関する厳密な測定を実施してもらいたいものです。
焼却場で作業しておられる方達の、粉塵等による内部被曝は大丈夫でしょうか?
「受入前向き発言」などする前に、実施すべきことだったと思います。
またそのデータは受入を検討する際の、貴重な資料にもなります。
なぜ富士市長はそのような基本的なことすら実施しないのか、「国が安全と言っているから大丈夫」おそらくこのような考えだと思います。
富士市長なら「国がなんと言おうと、富士市で調査検討し市民を守る」と言う見識を持ってもらいたいものです。


2.富士市の2011/07時点の状況

先ほどの環境クリーンセンターで主灰と飛灰の重量比を確認しましたが、結果的には測定していないのでわかりませんと言うことでした。
ただ設計段階では主灰8:飛灰2としているそうですので、今回はその数値で計算しました。
主灰とは焚き火で言うと燃えカスで、飛灰は煙(煤)だそうです。したがって飛灰のほうが量は少ないでが、汚染度は逆に高くなります。

7月時点では主灰48、飛灰279(Bq/Kg)なので、両方の焼却灰を8:2で混ぜ1Kgとすると94Bq/Kgになると思います。(これは個人的見解です。焼却前の廃棄物の汚染データがないため、焼却灰のデータから逆算しました。間違い指摘してください)
また富士の焼却場の濃縮率は約10%ということなので、まとめると次のようになります。(さすがに古いですね)

もし受入れるがれきが100Bq/Kgの場合は、図中の9.4Bqが100Bqになりますので、あきらかに現在より高くなります。

富士の焼却の実態

災害廃棄物の広域処理の方針では、いろいろな数値・測定データが記載されていますが、結局そのベースは8000Bq/Kgが安全だという点から出発しているため、その数値自体が納得できない私にとっては理解ししづらい内容です。
更にその根底には低線量被曝の健康への影響の有無がかかわってくるわけですが、その点が未だに解明されていない状況ではなおさら賛成することはできません。

4.実はここまで調べてきて、新たに「心配なこと」に気付きました

鈍感な自分が情けなくなってきました。
既にお気づきでいまさら何をと怒られるかもしれませんが、とりあえずお知らせします。
なお数値は出来る限り確認していますが、どうしても推定値が含まれますのであくまで目安とお考えください。
また私の勘違いがあるかもしれません(よくあります)。お気づきの点ぜひお知らせください。

富士処分場のがれき計算値
【各項目】
■富士1と富士2は、7月と11月のデータを基にした富士市の1年間の放射性物質の推定量。
■岩手1と岩手2は、山田町・大槌町のがれきを年20トン受入れた場合の1年間の放射性物質の推定量。

【算出条件】
■岩手からのがれき受入量は、年間20000Kg(20トン)。これは県が表明している年間600トンを、県内30市で均等に受入れた場合です。(実際は受け入れない市もあるため、増減すると思います)
■年間処理量は22年度の実績
■濃縮率は10%
■岩手県の汚染度は公表されている数値
■%は、富士市の11月の状態を100%とした場合の割合

【結果について】
1.受入量がもし年間20トンであれば、富士市の全焼却灰に占める放射性物質の割合は1~2%と想定されます。これが多い・少ないということは決して受入理由にはなりませんが、事実として理解した上で反対していきたいと思います。
またこの量であればなぜ静岡県に拡散しようとするのでしょうか?

2.がれき受入以前に、原発事故以来処理されている焼却灰の放射性物質が非常に多いように感じました。
(新たな心配)
震災前の富士市のデータが無いということなので単純に比較できませんが、現在公表されている大阪の飛灰のデータを汚染前と推定すると、震災前に比べ7月で16倍、11月で9倍になります。
(現在の大阪を、汚染されていないと考えた場合です)
・大阪市はこちら→→(大阪9月のデータ平均値、セシウム17Bq/Kg。不検出は5Bq/Kgで計算しました)
・富士市はこちら→→
この量が健康や農作物にどのように影響するかは不明ですが?

ただ富士市の焼却炉は、25年経過し・放射能対策などまったく配慮されていません。
少なくとも先ほどの大気中への放出量とともに、早急に検証すべき項目だと思います。
富士市の簡易線量計による空間線量の調査では、検出されないと思います。
しかし問題は子供達の内部被曝です。大気中の放射性物質や粉塵の影響です。
更に農作物への影響。
また処理場からの地下水等への浸透?大丈夫でしょうか。
通常の水道水は検査されていますが、簡易水道も検査されているでしょうか?

廃棄物対策課の答は「ゴミの焼却を止めるわけには行きません」
確かに止めたら大混乱だと思います。でも検討を始めることはすぐできるのでは?

富士市は原発事故後、市の廃棄物の放射能対策のための調査・対応を一切していないと思います。
もし空間線量が低いということが理由だとしたら、それは外部被曝だけを捉えた考えで、これから最も重要になる内部被曝・低線量被曝を無視したものだと思います。
安全かもしれません。危険かもしれません。
それを確認するため、早急に検討し調査を実施して欲しいと思います。


市長へ
がれき受入以前に、この問題が先ではないですか!

そんな思いが強くなっています。

3.個人的に思うこと

今想定されている瓦礫の量は、富士市で10トントラック6台分です。(3年間合計)
県内の総量でもトラック180台分です。
高性能の焼却炉で焼却すれば、トラック6台分程度になると思います。
仙台市の最新焼却炉のニュース(1日300トン処理)こちら→→
これならトラック180台のがれきも6日間で処理できます。
全国を巻き込み、がれき受入を検討させ、住民を不安にさせ、汚染を広げるより、初めから処理の必要性はわかっていたはずなのに、なぜ手をつけなかったのか?疑問に思います。

実際に岩手県陸前高田市長が、このようなことを語っています。こちら→→

更にコンクリートで固める等の処理をし、特定の封鎖された場所へ移動し十分収容できる量だと思います。
また1ヵ所で集中管理することは、100年以上の管理がより安全に行えると思います。

これを静岡県各市の焼却場で分散処理し、それぞれの市で100年以上の期間管理していくことが、どれほど県にとって大きな負担となり、大きな影響があるか?
そしてこのことを岩手県の復興と対比させて考えた時、本当に正しい選択と言えるでしょうか?
汚染の少ない地区に拡散させ、それぞれを別々に管理していくことは、その影響が見通せない現在、最も避けるべきことだと思います。

汚染を分け合うことはまったく支援ではないと思います。
汚染のない地区を守り、汚染をこれ以上広げないことが、長期的な国益を考えた場合も不可欠だと思います。

「静岡も災害にあった時、助けてもらうから困った時はお互い様」という話をよく県知事・市長はします。
これには結構腹が立ちます。
個人個人が出来ることは些細なことです。
しかしそれでも出来る範囲で物資を提供し、寄付をし、今でも復興を支援しようと言う気持ちは持っています。
ネット署名のコメントです。こちら→→
こちらにも多くの人が支援に賛成しています。ただし放射能の受入以外の支援ですが!
自分達では真剣に調査・検討もせず、独自の安全基準も持たない、そんな知事や市長に言われたくない!
そんな気持ちになってしまいます。
(12/5次の記事ぜひご覧いただきたく、追加しました)
広報松本の12月号です。すげのや松本市長のメッセージが掲載されています。こちら→→
内容はもちろんですが、それ以上に「松本市の子供達を守る」と言う市長の思いが伝わってきます。
静岡知事・富士市長!「国に安全を説明してください」と求めるのではなく、自分が静岡県民・富士市民を守るための見識を持ち、自分の言葉で市民に訴えかけてください。
松本市の出来事は言葉だけの奇麗事ではなく実践されていることです。
富士市の子供たちを守れるのは国ではなく、富士市長・そして市職員の皆さん・そして市民だと思います。
まだ遅くはありません!富士市の子供達の将来にわたるリスクを、取り除いてあげましょう。

以上の対応は国が事故から8ヶ月間の間に、真剣に検討し・対応すれば出来たことだと思います。
それを怠り「困ったから受入れてください」と言うことならお断りします!(以上) 

放射能の問題は議論して決めると言うより、どのように判断するかということが多いと思います。
このような状況の中で、富士市の子供達の将来にわたる影響を考えた場合どのように判断するか?
富士市長・市議会議員の皆さん、その影響がはっきり確信できない場合は安全策を選択してください。
また安全だと言うことなら市民が納得できる説明を、瓦礫受入を決定する前に誠心誠意説明してください。
また市民はその影響に真剣に目を向けましょう。
これから何十年も放射能に向き合わなければならなくなった日本で、無関心は子供達に対して最も無責任な行動だと思います。




富士ニュースで11/27に配信された新聞のコピーをいただきました。(下の写真)
私がお会いしている担当者の方は、とても丁寧で精一杯対応されていると感じています。
市長の発言がなければ、市民から怒られることもなかったと思います。
本音では市長に対して「まったく・・・・・・」と思っていると思います。

その市民の怒りの声は必ず市長に伝えています!聞くだけで届けないと言うことは絶対ありませんということでした。ただその声も最近はほとんど無いそうです。
まだまだ足りないと思います!
富士市瓦礫11月27日

おそらく市の職員の方達の中でも、この問題に目を向けいている人は「受入反対」だと思います。
小さい子供さんがいる方も多いですから。
ただ自分からは立場上反対しづらいと思います。
その意味からも、やはり市民が声を上げることが必要です。

これからは市長への直談判でしょうか?
あきらめずに続けましょう!

チラシ作ってみました。
よろしかったら自由にお使いください。(クリックで拡大)
PDFはこちら→→
がれき反対チラシ1
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[2011/11/28 18:00] | がれき問題 | トラックバック(0) | コメント(6) | page top
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