タイトルは2014年10月19日(日)放送のNHKスペシャルのものです。
1902年~の白黒映像として保存されていた映像を、カラーで再現したものです。
人力車が行き交う赤レンガの東京駅は、ちょうど100年前にできたそうです。
関東大震災の大火災その他、単にカラー化したというだけではなく、いろいろな角度から見ることがでる興味深い映像だと思います。

その中で語られていた次の3人のメッセージは、現在の日本の状況について話しているのか?と錯覚するほど、心に響くものがありました。
秘密保護法・集団的自衛権・原発再稼働・沖縄の基地問題・最近の大臣をめぐる騒動・富士市で起こっている「軽薄な出来事」・・・等々、あとで「だまされた」とは言いたくないですね!
永井荷風

国民一般の政府の命令に服従して不平を言わざるは恐怖の結果なり
麻布連隊反乱(二・二六事件)の状を見て恐怖せし結果なり
元来日本人には理想なく強きものに従ひ、その日その日を気楽に贈ることを第一となすなり
伊丹万作

多くの人が今度の戦争でだまされていたという
いくらだますものがいても
だれ一人だまされるものがなかったとしたら
今度のような戦争は
成り立たなかったにちがいないのである
「だまされていた」といって
平気でいられる国民なら
おそらく今後も何度でもだまされるだろう
いや現在でもすでに別のうそによって
だまされ始めているにちがいないのである
三島由紀夫
敗戦後社会におけるおける、豊かさへのあこがれと政治への不信
アメリカのテレビ番組も、その日本の世相を取り上げています。
その番組の中で日本の若者に対し、次のように語られています。
「若者たちは過去から切り離され、現在に幻滅し、未来に明確な目標を見つけられないのです」そして作家三島由紀夫が戦後世代の代弁者として選ばれ、取材に答えてています。

彼らは今この一瞬を生きています
未来も過去も考えることはありません
いつも一瞬一瞬を飛び回っているのです
彼らはとても健全に見えます
小さな獣のように美しくも見えます
(番組:彼らは目的を見つけられるでしょうか?)
そう願います。
それは私自身の抱える問題でもあるのです。
各人の時代背景を考えたとき、その発言の重さを感じます。
関東大震災・東京大空襲からの復興と3.11
関東大震災と東京大空襲により、東京は過去二度焼け野原になりました。
しかし映像にもありましたが、大空襲の一年後には盛大なお祭りが行われています。(1946年)
■焼け野原の親子
■大空襲から一年後!上野のお祭り風景

3.11から3年経過した福島は?(2014年8月の浪江町沿岸部)
3年経った今も人が住めず、復興の手も付けられない地区がある原発事故の現実。
さらに近くには、いまだに放射性物質の排出が続いている、破壊されたままの原子力発電所があります。
しかし政府は除染により安全になっていると判断した地点には、住民の帰還を促す政策をとっています。
本当に安全だろうか?
過去の歴史にあるように、まただまされているだけではないだろうか?
もし後になって「だまされていた」と話すとしたら、体調異変を感じた多くの子供たちになる可能性が高い。

それでも日本人は・・・
「元来日本人には理想なく強きものに従ひ、その日その日を気楽に贈ることを第一となすなり。」
「だまされたといって平気でいられる国民」
なんでしょうか?