11/7川内原発の手続き上の再稼働が決定。
今回は個人的独断と偏見に基づいて、川内原発問題を振り返ってみた。 これまで多くの報道があったが「振り返って一言でいえば」・・・? 次の「天声人語」が、一番しっくりくる感じ! 朝日新聞 2014年11月08日/嘘について![]() 以下は、同日の朝日新聞 統一選控え急いだ判断/市民要望討論会開かれず住民の意向はほとんど蚊帳の外!知事と議会の都合で決められてきた経緯が読み取れる記事。特に赤線部分 ■知事 「一律に拡大し、原発の知識の薄いところで結論を出すのは、錯綜するだけで賢明ではない」 これを市民目線で直訳すると・・・ 「お前たちは何も知らないんだから、ごちゃごちゃ言わずに黙ってろ。話がややこしくなる。」 ![]() 事故後の選択/問われる覚悟狐に騙されても良いと考えている人が、福島で起こったことを直視し、その上で覚悟を持って判断しているとは思えない。3年経った今も5万人を超える人が避難生活を送り、いつ戻れるかのめども立っていない。 震災後も震災関連死といわれる人の数は、福島だけでもH26年3月時点で1700人以上。 そのことは震災後の状況の厳しさを物語っている。 軽々しく覚悟などという言葉を使うことはできない。 しかしこの結果!・・・騙されることを「人間だもの」で通り過ぎるには、あまりにも恐ろしい出来事に感じる。 ![]() 騙されたくない我々はどうすれば良いだろうか?引き続き、できることをやっていく。ただし今回の経緯と結果にしっかり向かい合い、これを活かしていかなければならない。次の記事は貴重な指摘であり、謙虚に受け止めることから、新しい出発が始まると思う。少なくとも相手は地域独占企業を中心とした原子力村とそれに群がる利権集団。 大きな壁であることは間違いない。 しかし論点を整理すれば住民の主張の方が、理にかなっていることがわかる。 ただ「理屈などはどうでも良い」とばかりに力で押してくる。 今回それを目の前で演じてくれ、多くの貴重なデータを提供してくれた。 反省とともにこのデータを冷静に見ていくことで、「何をすべきか?」道は見え始めていると思う。 ![]() 明るいニュースは?薩摩川内市に隣接する、いちき串木野市民が反対署名を過半数以上集めたことだと思う。今回のようなテーマで、来年の統一地方選にも影響を与え、市長・議員のリコールも可能な民意を集めたことは、何ともすごいことだと思う。 住民の声が表に出てくる市・町になることで唯一、市民の力で行政を動かす可能性が生まれる! いちき串木野市民の方たちには、それぞれの立場で複雑な思いがあると思う。 つぎのNHKのデータからも、若者の仕事への要望の強さがうかがえる。 また今回は一見、その民意は市長・県議の壁に阻まれたように思う。 しかしこれからも、それらの者に対し「NO」を突きつける力を持っていることが証明されたことは、本当に素晴らしいことだと捉えたい。 今の日本は組織末端にいる住民の意思をコントロールすることで成り立っている部分が強い。 そのために巧妙に構築された自治体組織では、一人一人の声などほとんど出てこない。出すことができない。 せいぜい町内会長・町内連合会長の意思をもって住民合意とし、物事を進めている。 少数意見は、反対グループとして蓋をする。 このような流れの中で、今回のいちき串木野市民の行動とその結果は、とても明るいニュースだと感じている。 参考データ次のデータはNHKで放送されたもので、大枠の傾向は正しいと考えた場合、若者の賛成割合が以外に多い。これは子育てもあり、蓄えも少ない世代で、仕事・収入を優先させなければならない事情があるようだ。背に腹は代えられない!冒頭の「天声人語」が最も当てはまる年代かもしれない? ■薩摩川内市の各年代別割合。若者の再稼働賛成割合がとても多い! ![]() ■周辺地区及び全国の20~30代の割合! やはり若者の割合が多い。 ![]() ■薩摩川内市・周辺地区の割合! 薩摩川内市で年齢を分けないと賛成49%ということは、60歳以上がとても多いということになると思う。 また周辺地区では反対が58%と多く、やはり知事の「地元は薩摩川内市だけ」とする考え方は、データからも独善的であると思う。 ![]() ■全国の割合! 民意は明らかに再稼働反対 ![]() ■NHKの調査方法 ![]() 11月8日各紙の報道知事発言翌日の各紙は、疑問が残ったままの再稼働という捉え方が多く、産経新聞だけは、以前から原発推進のスタンスで今回も。ただし、決まると批判記事が増えるメディアもあるようで要注意。 ■東京新聞/川内再稼働 知事が同意 避難・設備・火山 不安残し/こちら→→ ■西日本新聞/川内再稼働同意 「福島の教訓」生かせたか/こちら→→ ■毎日新聞/川内原発:再稼働同意 対話、不十分なまま 鹿児島/こちら→→ ■産経新聞/原発含め電源多様化は不可欠 鹿児島/こちら→→ ※記者について・・・・・ 毎日新聞「杣谷健太記者」の川内原発関連記事の本数が、飛びぬけて多かったように思う。 驚いたことは、その中で半数は市民目線の記事。 いろいろな思惑があったとしても・・・ 地元で頑張っていた市民にとって、この記者が記事として取り上げてくれたことはとても励みになったと思う。 市民活動において、その主張をいかに偏見を持たれずに、他の市民に伝えたらよいか?大きな課題。 この記者をネット検索すると一部誹謗中傷の類も出てくるが、アメリカへ行ったり、毎日新聞も中途採用枠で入社。今後も市民感覚を持つ、ちょっとはみ出した、期待の大きな記者だと思う。 |