前回お知らせした清水区の住民の方たちが、静岡市長に提出した公開質問状。
その回答は予定通り3/末にありました。しかしその内容は、住民の方たちにとってとても納得できるものではなかったようです。 このような質問状は地元住民の方たちにとって、とても重要な内容が含まれていると思います。 特にメディアが取り上げない、事故発生時のリスク、環境汚染などについてです。 しかしほとんどの方がその内容を目にすることはないと思います。 今回住民の方の許可をいただき、住民の質問と静岡市の回答をお知らせいたします。 3/1・・・住民の質問 3/30・・・静岡市の回答市の回答の薄さは次の通りです。念のため個人名は空白とさせていただきまいた。■住民の質問→→こちら ■静岡市の回答→→こちら 4/1・・・経済効果の記事上記回答翌日(4/1)、静岡新聞にLNG火力の経済効果について、市の試算結果が掲載されました。■稼働後は1500人の雇用と、毎年190億円の経済効果 静岡市民にとって経済効果の記事は印象に残っても、住民の方たちが訴えている建設により発生するリスクについては、まったく目に触れずに通り過ぎていくと思います。 4/5・・・静岡市温室効果ガス10%削減の記事そして4/5に静岡新聞に掲載された、温室効果ガス削減に対する静岡市の説明です。13年度の静岡市内の温室効果ガス総排出量(CO2換算)553.1万トン。22年度までに500.3万トンにするそうです。■温暖化対策計画 13年度比、官民協働 これには今回のLNG火力発電所が稼働した場合に排出されるCO2(約372万トン)には全く触れていません。 計画中の清水LNG火力発電所がすべて稼働されれば、年間約370万トンのCO2が放出されるそうです。 その数値は、次の西谷博子市議の質問に対する環境局長の回答で明らかになっています。 ■回答:清水LNG発電所の二酸化炭素排出量に関する御質問にお答えします。 配分前の二酸化炭素排出量についてですが、配分前とは、発電所における燃料の使用に伴う二酸化炭素排出量です。清水LNG発電所の稼働に伴う配分前の二酸化炭素排出量は、1年間の天然ガス消費量に二酸化炭素に換算するための排出係数を乗じて求めることができます。 具体的には、環境影響評価方法書に示された天然ガスの年間使用料135万トンに排出係数2.76を掛け合わせた372万6,000二酸化炭素トンが年間の排出量と推計されます。 発電所の稼働予定は東燃の資料から、2021年に2基、2024年に1基。 それぞれの排出量を、わかり易く100万トンとした場合でも次のようになると思います。 ■静岡市の削減計画とLNG火力の排出量 2016年から2022年の目標の中で約50万トンの削減計画ですが、その目標期日の1年前と2年後にLNG火力発電所が稼働され、その排出量はその削減目標を大幅に上回ります。静岡市では短期間にこの膨大な温室効果ガスをどのように削減するんでしょうか?もしLNG火力発電所を容認するなら、その具体的削減方法を明示しなければならないはずです。 ![]() ■静岡市の削減計画にLNG火力の排出量を加えた場合 もしLNG火力発電所排出量の削減策がないまま稼働した場合、10%の削減どころか約26%の増加になってしまうと思いますが? ![]() 静岡市はこのような市民の疑問に対ししっかり説明することが求められますが、今までの静岡市の対応を見ているとどうでしょうか? 経済効果の記事に続き、温室効果ガス削減の記事が掲載されています。 これらからも静岡市の建設推進の姿勢がはっきり見えてきます。 しかし今回のLNG火力発電所計画は、川内原発1・2号機の合計発電量とほぼ同じ170万KW! 巨大な火力発電所を、清水駅前約500mの地点に建設する計画です。 想定される南海トラフ地震や環境汚染のリスクについて事業者の説明任せではなく、静岡市自ら徹底した検証を行い、その結果について住民に丁寧に説明することが最も求められていることだと思いますが、多くの住民がそれを要望しないかぎり、それは実施されないと思います。。 法律の枠内であり、経済効果が見込まれる事業として、推進されていくと思います。 それではそのリスクを最も背負っていかなければならない、地元住民はどうすればよいでしょうか? 黙って受け入れるしかないでしょうか? まず多くの住民が無関心から、この計画に目を向ける・・・その出発点に立たないかぎり、ある日巨大な火力発電所が稼働している風景を見ることになると思います。 おそらくそれは、次のような風景になると思います。(下図はあくまでイメージ図です) ![]() スポンサーサイト
|
| ホーム |
|