なぜこんなに違うのか?
「東日本大震災により発生したがれきの受入れについて」について、2012年3月23日上田文雄札幌市長が次の考えを札幌市のホームページに掲載しています。全文掲載しますのでぜひご覧ください。原文こちら→→
このように市長自ら「災害廃棄物の広域処理」の問題点に目を向け、その問題に関して独自の見解を述べています。この後に記載する2012/03/22に出された富士市議の決議文と、比較していただきたいと思います。

東日本大震災から一年が過ぎました。地震と津波による死者・行方不明者が18,997人という未曽有の大災害は、福島第一原子力発電所の大事故とともに、今なお人々の心と生活に大きな影を落としています。改めて被災者の皆さま方に心からお見舞い申し上げ、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

震災から一年後となる、今年の3月11日前後、テレビの画面に繰り返し映し出されたのは、膨大ながれきの山と、その前に呆然と立ちすくむ被災者の姿でした。これを視聴した多くの人々の心には、「何とか自分達の町でもこのがれき処理を引き受けて早期処理に協力できないか」という、同胞としての優しい思いと共感が生まれたものと思います。

政府は、岩手県・宮城県の震災がれき約2,045万トンのうち、20%に相当する約401万トンを被災地以外の広域で処理するという方針を出し、今、その受入れの是非に関する各自治体の判断が、連日のように新聞紙上等をにぎわせています。
私は、これまで、「放射性物質が付着しないがれきについては、当然のことながら受け入れに協力をする。しかし、放射性物質で汚染され安全性を確認できないがれきについては、受入れはできない。」と、市長としての考えを述べさせていただきました。

『放射性廃棄物は、基本的には拡散させない』ことが原則というべきで、不幸にして汚染された場合には、なるべくその近くに抑え込み、国の責任において、市民の生活環境に放射性物質が漏れ出ないよう、集中的かつ長期間の管理を継続することが必要であると私は考えています。非常時であっても、国民の健康と生活環境そして日本の未来を守り、国内外からの信頼を得るためには、その基本を守ることが重要だと思います。
国は、震災がれきの80%を被災地内で処理し、残りの20%のがれきを広域で処理することとし、今後2年間での処理完了を目指しています。
これに対し、「現地に仮設処理施設を設置し精力的に焼却処理することで、全量がれき処理が可能であり、また輸送コストもかからず、被災地における雇用確保のためにも良い」という意見も、被災県から述べられ始めています。

また放射性物質についてですが、震災以前は「放射性セシウム濃度が、廃棄物1kgあたり100ベクレル以下であれば放射性物質として扱わなくてもよいレベル」だとされてきました。しかし現在では、「焼却後8,000ベクレル/kg以下であれば埋立て可能な基準」だとされています。「この数値は果たして、安全性の確証が得られるのか」というのが、多くの市民が抱く素朴な疑問です。全国、幾つかの自治体で、独自基準を設けて引き受ける事例が報道され始めていますが、その独自基準についても本当に安全なのか、科学的根拠を示すことはできてはいないようです。

低レベルの放射線被ばくによる健康被害は、人体の外部から放射線を浴びる場合だけではなく、長期間にわたり放射性物質を管理する経過の中で、人体の内部に取り入れられる可能性のある内部被ばくをも想定しなければならないといわれています。
チェルノブイリで放射線障害を受けた子ども達の治療活動にあたった日本人医師(長野県松本市長など)をはじめ、多くの学者がこの内部被ばくの深刻さを語っています。放射性物質は核種によっても違いますが、概ね人間の寿命より、はるかに長い時間放射能を持ち続けるという性質があります。そして誰にも「確定的に絶対安全だとは言えない」というのが現状だと思います。

札幌市の各清掃工場では、一般ごみ焼却後の灰からの放射性物質の濃度は、不検出あるいは1キログラム当たり13~18ベクレルという極めて低い数値しか出ておりません。私たちの住む北海道は日本有数の食糧庫であり、これから先も日本中に安全でおいしい食糧を供給し続けていかなくてはなりません。そしてそれが私たち道民にできる最大の貢献であり支援でもあると考えます。

私も昨年4月、被災地を視察してきました。目の前には灰色の荒涼たる街並みがどこまでも続き、その爪痕は、あまりにも悲しく、そしてあまりにも辛い光景で、今も私のまぶたに焼き付いています。
また私は、若い時に福島に1年半ほど生活していたことがあり、友人も沢山います。福島は、桃やリンゴなどの優れた農作物で知られており、それらを丹精こめて生産されている人々が、愛着のある家や畑から離れなければならない、その不条理と無念さに、私は今も胸を締めつけられるような思いでいます。

札幌市はこれまで、心やさしい市民の皆様方とともに、さまざまな支援を行ってまいりました。今なお札幌では、1,400人を超える被災者を受け入れており、あるいは一定期間子どもたちを招いて放射線から守る活動などにも積極的に取り組んできたところです。そのほか、山元町への長期派遣をはじめとした、延べ1,077人に及ぶ被災地への職員派遣、等々。今までも、そしてこれからも、札幌にできる最大限の支援を継続していく決意に変わりはありません。

またこのところ、震災がれきの受け入れについて、電話やファクス、電子メールなどで札幌市民はもとより、道内外の多くの方々から、賛同・批判それぞれの声をお寄せいただき、厳しい批判も多数拝見しています。ご意見をお寄せいただいた方々に感謝を申し上げます。これらのご意見を踏まえ、何度も自問自答を繰り返しながら、私は、「市長として判断する際に、最も大事にすべきこと、それは市民の健康と安全な生活の場を保全することだ」という、いわば「原点」にたどり着きました。

私自身が不安を払拭できないでいるこの問題について、市民に受入れをお願いすることはできません。
市民にとって「絶対に安全」であることが担保されるまで、引き続き慎重に検討していきたいと思っています。

2012年3月23日
札幌市長 上田文雄

同じく北海道黒松町の「災害廃棄物の広域処理」の考え方です。こちら→→
(2012/03/20)

富士市議会の決議文(2012/03/22)
本日、2月定例会最後の議案として、市議会が発議した「東日本大震災によるがれき処理の促進に関する決議」が全会一致で採択されましたのでお知らせいたします。決議文は以下の通り。

昨年3月11日に発生した、マグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震は、東日本各地に甚大な被害をもたらす未曾有の大災害となった。加えて、東京電力福島第一原子力発電所における放射能漏れ事故の発生もあり、1年たった今も被害はさらに深刻化している。
これまでも全国各地の多くの人々が、被災地の復旧と復興に向けて取り組んでおり、本市でも岩手県山田町、大槌町を中心に職員を派遣するなど、できるかぎりの支援を進めてきたところである。
しかしながら、被災地の復旧と復興に向けて大きな障害となっているのが、膨大ながれきの処理である。政府は処理が進まないがれきのうち、県内処理を国が決めている福島県を除く、岩手県の476万トン、宮城県の1569万トンのうち401万トンについてを広域処理することとし、全国の自治体に協力を呼びかけているが、放射性物質の懸念から受入れが進んでいないのが実情である。
がれきは、全国の自治体の協力がなければ、この先十数年そのままの状態となり、まさにがれきの処理なくして被災地の真の復興はあり得ないのである。
被災地の方々の苦悩を思うと、がれきの1日も早い処理は喫緊の課題であり、全国民の協力が求められている。
「絆」という言葉にさまざまな思いを抱いた1年であったが、今は「お互いさま」の精神をもって、思いを行動に変える時であり、本市議会は協力を惜しまないものである。
そのためには、国・県及び市当局が市民への説明責任を履行するとともに、とりわけ放射性物質に関する安全・安心をもって、速やかに対処することをあわせて要請するものである。
以上、決議する。

平成24年3月22日
富士市議会


札幌市長は、「災害廃棄物の広域処理」に対して、問題点を含め自分の見識をはっきりと伝えています。

主な項目抜粋です。

■放射性物質に対する基本的な考えかた
『放射性廃棄物は、基本的には拡散させない』ことが原則というべきで・・・国民の健康と生活環境そして日本の未来を守り、国内外からの信頼を得るためには、その基本を守ることが重要だと思います。

■広域処理以外の方法に対する考察
これに対し、「現地に仮設処理施設を設置し精力的に焼却処理することで、全量がれき処理が可能であり、また輸送コストもかからず、被災地における雇用確保のためにも良い」という意見も、被災県から述べられ始めています。

■放射性セシウム濃度に対する考察
震災以前は「放射性セシウム濃度が、廃棄物1kgあたり100ベクレル以下であれば放射性物質として扱わなくてもよいレベル」だとされてきました。しかし現在では、「焼却後8,000ベクレル/kg以下であれば埋立て可能な基準」だとされています。「この数値は果たして、安全性の確証が得られるのか」というのが、多くの市民が抱く素朴な疑問です。

■内部被曝に対する考察
低レベルの放射線被ばくによる健康被害は、人体の外部から放射線を浴びる場合だけではなく、長期間にわたり放射性物質を管理する経過の中で、人体の内部に取り入れられる可能性のある内部被ばくをも想定しなければならないといわれています。・・・そして誰にも「確定的に絶対安全だとは言えない」というのが現状だと思います。

■地場産業に対する考察
私たちの住む北海道は日本有数の食糧庫であり、これから先も日本中に安全でおいしい食糧を供給し続けていかなくてはなりません。そしてそれが私たち道民にできる最大の貢献であり支援でもあると考えます。

■復興支援に対する考え方
札幌市はこれまで、心やさしい市民の皆様方とともに、さまざまな支援を行ってまいりました。・・・今までも、そしてこれからも、札幌にできる最大限の支援を継続していく決意に変わりはありません。

富士市議会の決議文

富士市民に選挙で選ばれた、市議会議員全員のお考えであり、富士市民がそれぞれの思いで考えることだと思います。

そのためには、国・県及び市当局が市民への説明責任を履行するとともに、とりわけ放射性物質に関する安全・安心をもって、速やかに対処することをあわせて要請するものである。

この中には具体的なことは何も書かれていないため、その内容が私にはまったくわかりません。
静岡県のほとんどの市長・県知事が、いままで発言してきた内容とほとんど同じです。

なぜこんなにも違うのでしょうか?


私達がお願いしたい事は、全ての政策の根底に「子供達の健康を第一に置いてください」と言う、ごく当たり前のことです。
今回の決議文の中にも、3.11で発生した放射性物質による子供達の健康を気遣う文言は何も入っていません。
県知事や市長の今までの発言の中でも、聞くことはありませんでした。
放射性物質の問題は静岡県には、富士市には、存在しないのでしょうか?
学校給食を心配しているお母さんは、たくさんいます。ただ声が出せないのです。

私達には、今の富士市の大気汚染・これからの富士市の大気汚染は、放置しておいて良い状況とは思えません。こちら→→

また被災地の復興支援が大切な事は、みんなわかっています。
その中で「災害廃棄物の広域処理」の問題点、広域処理に換わる優れた支援方法も報道されています
富士市長や富士市議の皆さんはこれらのことについて、市民にわかりやすく説明する努力をお願いいたします。

こちらは細野大臣に届けられた、「災害廃棄物の広域処理」に疑問を持つ市民の質問状です。
この中には多くの人の疑問が集約されています。ぜひこれらに対する見解もお聞きかせいただければ、市民の不安も少なくなっていくと思います。
こちらPDF→→
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[2012/03/15 10:54] | がれき問題 | トラックバック(0) | コメント(4) | page top
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コメント
おはようございます
札幌市長様の話は納得ですね。
このようなかたちでトップが発表し、議論・検証を重ねた上での受け入れはありかと思いますね。基準も国際基準ですし、なにより市民のことを考えて行動してくださっています。
うらやましい限りですね。
このような手順をふんでの受け入れであれば双方にとってわだかまりもなくいいと思うんです。
そもそも受け入れを震災一年後に考えはじめて、受け入れられなきゃ復興が進まないといってる時点で『?』ですよね。

原発の処理と同時進行でがれきをどのように処理するかを去年の夏から秋にかけて検討し、広域処理なら去年中に議論するべきでした。

処理の方法を考えていれば仮置き場もあり方もかわっていたでしょうに・・・

島田の、『現在災害廃棄物を受け入れて焼却処理を行っている静岡県島田市の最終処分場の浸出水処理施設から、放流水の沈殿汚泥中から300ベクレル/kgという高濃度の放射性セシウムが検出された事例など、現に環境汚染をもたらしている事例』がでているというのが気になります。



[2012/03/26 08:33] URL | 静岡県民 #- [ 編集 ]
静岡県民さん

確かにそうですね。
まだ議論になっていないと思います。
一方的に「絆」「復興支援」と言う事で押し付けている状態だと感じています。
市にいくら安全についてたずねても、最後は国の基準とか、国の方針とかになり、議論が成立しないのが現実です。
変えるには多くの市民に、今起きていることが問題だと気付いてもらえなければ、議論自体必要ないということになってしまいます。
今は気付いた人が、声をあげ続ける事が必要だと思っています。
大人の責任として、子供達のために!
そんな風に考えています。
[2012/03/26 22:25] URL | 管理人 #- [ 編集 ]
 管理人様

 いつもわかりやすい資料ありがとうございます。

 管理人様ががんばっておれれるので、私も出来ることから、まだまだあきらめませんよ。
[2012/03/28 11:05] URL | Yensid #- [ 編集 ]
Yensidさん

あきらめません!
これからも、よろしくお願いします。
[2012/03/28 13:56] URL | 管理人 #- [ 編集 ]
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