清水LNG火力発電所建設と沖縄高江ヘリパッド建設
今朝(8/6)も雨模様の中、沖縄高江のN1ゲート裏には、国会議員を含め多くの人が詰めかけています。
沖縄の人たちの行動が、県民だけでなく全国の人を動かしている!すごいことだと思います。

自分はすぐに現地に行ける状況ではなく悔しい思いですが、近隣の出来事も大事だと思っています。
むしろ自分の身近なところで起こっていることにさえ、向かい合えないとしたら?
とても沖縄のことに向き合うことはできないと思います。

今回は先月(7月)に起こった、清水LNG火力発電所計画問題を高江の出来事を通してみてみたいと思います。


清水LNG火力発電所計画について(7/24)

これは7/25(月)、中日新聞に掲載された記事です。
清水区の住民有志が、7/24(日)LNG火力発電所建設に反対するために行ったパレードです。
スペースに入らなかったので若干レイアウト変更していますが、本文はそのままです。

20160725 中日新聞 パレード

炎天下の午後、なぜこのパレードが実施されたんでしょうか?
今はまだ地元でも、「LNG火力発電所建設?よく知らないよ!」という方が多いようです。

地元の環境を大幅に変える可能性が高い「LNG火力発電所建設」!
パレードの目的は、まず多くの住民の方に目を向けていただき、その可否について正しい議論が行われることを期待するものだと思います。

今回この建設計画の概要について、簡単にまとめてみました。

発電規模は?
170万KW。これは現在唯一稼働している、川内原発1号機と2号機を合わせた発電量とほぼ同じ。
まさに巨大な発電所という表現が妥当だと思います。
下の写真は川内原発で、出力は1,2号機とも89万KW。合計178万KW。これとほぼ同じ規模の火力発電所が清水駅前に建設される・・・想像できますか?
建設予定の火力発電所は3機で、それぞれ58万KW☓2基、54万KW☓1基、合計170万KW。
20160727川内原発1-2号機

どこにできるんですか?
清水駅前から500mほどの距離にある、袖師町の埠頭が建設予定地となっています。
(静岡県静岡市清水区袖師町1900番地)
このような市街地に近い状況では、安全対策が何よりも重要課題であることに異論はないと思います。
もちろんその安全対策は、いつ来てもおかしくない巨大な南海トラフ地震を抜きに考えられません。

201607273Gmap清水

清水駅前から見た風景
次の写真は、JR清水駅前から発電所建設予定地を見た風景です。
遠くに富士山が望めます。

下の写真は、建設予定の火力発電所が完成した場合のイメージ図です。
正確な形状やサイズは不明なので、あるLNG火力発電所(3機で140万KW)を参考にしたイメージ図です。

住民が住むところから数百m先に、原発に匹敵する規模(170万KW)の巨大なLNG火力発電所です。
自分の住む街に、このような建設計画が持ち上がったら?
黙って見過ごせますか?

20160728選択-駅前

三保からの風景
海を挟んだ反対側、三保から見た風景です。
ご覧のとおり清水駅前方面には、煙が出ている煙突は見られません。

火力発電所が完成すると、下の写真のような風景になると思います。

排出ガスの詳しい成分や排出量に関する資料がないので不明ですが、CO2の排出量は公表されています。
現在の静岡市のCO2排出量が1.7倍になるという、大量の排出ガスが放出されます。
またしっかりした防波堤が見当たりませんが、巨大地震が発生した時の津波に対する備えは大丈夫だろうか?
さらに埋立地なので、液状化の心配は?
想定される巨大南海トラフ地震に対する不安は、とても大きくなっています。

20160728選択-三保

以上、清水LNG火力発電所計画をイメージ図から見てみましたが、当然そこには次のような不安や疑問が出てくると思います。

住民の疑問
一つ一つの問題点を詳しく取り上げると膨大な量になってしまいますので、今回は主な問題点の概要のみを取り上げています。

(1)多量の排出ガスによる大気汚染、それに伴う健康被害のリスク

今までこの地区の大気には存在しなかった、各種大気汚染物質を含む排出ガスが大量に放出されるわけで、当然健康被害について心配になります。法律の枠内だからで、安心できる問題ではありません。
三保の灯台から富士市の煙突から立ち昇る多数の煙が見えました。
これでも「環境基準を満たしているから問題ない」とされています。
しっかりした情報公開、丁寧な説明、話し合いの場を通し、住民の理解を得る努力が必要です。
20160728喘息-1

(2)南海トラフ地震が想定される中、震度7の激震や大津波による大災害発生のリスク

想定外と言われる災害が続いていて、この清水も例外ではないと思います。3.11の気仙沼で発生した大規模なプラント火災は、忘れることはできません。
事故が起きれば命に直結する問題です。想定外では済まされず、多くの住民合意を抜きにして決めるべき問題ではないと思います。
20160303ガスタンク火災炎上

(3)いままで育ててきた「港町清水」のイメージに対する影響悪化のリスク

毎年開催されている「清水港マグロまつり」は、今年も10/9(日)駅前の広場で開催されます。
今まで先人達が築いてきた「港町」のイメージ。発電所建設がこれらにマイナスのイメージを与えませんか?
発電所が完成してから、「風評被害だ」と言っても遅すぎます。
まちづくりに関し、今、真剣な議論が必要だと思います。
20160728清水港マグロまつり
20160729マグロ祭り-assy

(4)今後何十年もこのような街を、子どもたちに残して良いだろうか?

(1)~(3)のリスクと駅前公園から見えるこの風景。子どもたちに胸を張って説明できる結論を出して欲しいと思います。
当然のことですが小さな子供を抱えるお母さんたちは、子どもたちに対する不安がとても強くなっています。
ぜひ悔いのない議論をお願いします。
20160728市民広場から

静岡市全体で考えれば、発電所ができれば経済効果のメリットはあると思います。
事業者の土地であり建設自体は違法ではなく、手続きも法に沿った形で行われると思います。

しかし環境影響・震災によるリスク等は、すべて近隣住民が負うことになります。
また清水港を中心としたまちづくりに関しても、やはり地元住民の方たちへの影響が最も多くなると思います。

そのような中で事業者・静岡市全体のメリットと地域住民のリスクを、どのように考え判断していくか?

地域住民への丁寧な説明や、疑問に応える体制が必要なことは言うまでもないと思います。
その上で最も大切なことは、住民合意に基づき、建設の可否が判断されるかどうか?

しかし実際はどうでしょうか?
全く説明が不足している!正しい議論ができていない!・・・、住民からそのような疑問の声が上がっています。


賛成・反対を含めいろいろな意見を聞き、自分で「賛・否」を判断する住民が多くなれば、決して間違った方向には進まないはずです。
ただし何も言わなければ、それは賛成ということになり、気が付いたら巨大な火力発電所が稼働していることになると思います。

事業者にしても、静岡市にしても、市民のためになる事業であれば、進んで情報を公開し、説明の場を設け、議論の場を設け、住民の理解が得られるように努力できるはずですが?

清水のLNG火力発電所建設に反対であり、もしその建設を阻止するのであれば、地元住民の声が多数集まることが必要不可欠です。
「誰かがなんとかしてくれる」では、何も始まりません。お上や大企業にモノ申す人は殆どいませんから!
厳しい現実ですが住民が声を出さなければ、いま日本では民主主義は実現できないと思います。

しかし県知事を始め圧倒的な民意が明らかにもかかわらず、その民意を無視している出来事が沖縄で起こっています。
その中で戦っているリーダー山城さんの言葉は、本土の我々はとても考えさせられる言葉です。

「非暴力を貫く。警察の暴力に暴力で対抗しても無駄ですよ。
でも、それは何もしないことを意味するわけではない。徹底して抵抗する。ほかに訴える手段を我々は持たないから」


高江の出来事について(7/22)

もしオスプレーのヘリパッド建設計画が身近で起こったら?
沖縄東村高江の7/22の出来事は、これが民主主義か?と思う対応が繰り広げられました。
朝日新聞の報道でもこのヘリパッドは、最も近い民家までの距離は約400mだと報じられています。
6ヶ所の建設予定に対し、すでに2ヶ所完成しています。
その2ヶ所でさえ、毎晩平均12回以上の航空機騒音にさらされています。

騒音問題だけでも深刻だと思いますが、さらにオスプレーその他航空機墜落の恐怖!
数々の犯罪を繰り返している、米軍兵士・軍属の存在!
また我々本土の人間では計り知れない、人権を抑圧されてきた長い歴史もあると思います。

※朝日新聞から→→(社説)沖縄ヘリ施設 強硬策では解決できぬ

沖縄東村高江の完成済みヘリパッド


20160722建設済みヘリパッド

低空飛行訓練のオスプレー

騒音だけでなく、事故の恐怖も迫ってきます。
20160730オスプレー低空飛行

今回、高江で発生した出来事も、住民にとっては生活を守るための当然の行動です。
その点に関し表現方法は異なるが、清水LNG火力発電所計画問題とまったく同じだと思います。

7/21抗議のための緊急抗議集会開催

非暴力の抗議行動であり、民主主義においては、当然の権利のはずです。
これは清水のパレードと同じ、市民の意思を示したものです。

20160721緊急抗議集会
これは冒頭の記事にある、7/24日清水で行われたパレードの様子です。
20160724パレード2
しかしこの後、沖縄高江では戒厳令下のような出来事が繰り広げられました。

7/22早朝 機動隊到着

本土から派遣された機動隊を含め、数百名が住民排除のために続々到着しました。
住民の方たちはテロリストではないです。危険人物でもないです。普通の住民です。
本土から見ると激しい抗議行動に感じるかもしれませんが、沖縄の歴史や実際に起って来たことにしっかり目を向ければ、当然のことだと理解できるはずです。・・・ぜひしっかり目を向けて欲しいと思います。
20160722早朝機動隊が表れた時

7/22強制排除始まる

住民の声に応えることなく、強制排除が開始されました。
20160722排除が始まったところ
次は琉球放送が伝えた動画ニュースの一場面です。
一人の住民を何人もの機動隊員で引きづり出す光景が、いたるところで発生していました。
20160722 RBC 強制排除

清水や高江の住民の方たちの行動を、「一部の過激な反対派だよ」「どうせやっても無駄だよ」と、問題に目を向けることなく簡単に切り捨てる人が多いことも事実だと思います。

だけどちょっとでも良いので、考えてみて欲しい!
誰が好き好んで暑い中、自分の時間を割いて、こんなことができますか?
何年にもわたって諦めることなく、巨大な権力に立ち向かえますか?

どちらの行動の中にも、私の知人がいます。
もちろん皆さん普通の住民です。
むしろ普通より優しい方たちです。
それぞれ、地元のこと・子どもたちのこと・日本の民主主義のこと・・・、その動機は異なっても、勇気を出し実際に行動している立派な方たちであることは間違いありません。

その方たちに感謝しても、影で非難するような人の心情は理解できない!
異なる意見が正面から向き合い、議論できるのが正しい姿だと、多くの人はわかっているはずです。
しかし現実にはその人達も「無関心」という、とても楽な方法で現実から目を背けているように感じます。

地元で起こっている出来事さえ、自由に声が出せない!
こんな社会は、子どもたちに残したくないですね。




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