不自然で分からないこと
次の記事がネットで配信されました。
詳しくは市民団体「いのちを守るお母さん全国ネットワーク」のブログに詳しく載っています。
■ブログこちら→→■動画こちら→→
特に交渉過程の動画は約3時間に及ぶ長いものですが、市民団体の皆さんの必死の訴えや下記記事の前後のやり取りも良く分かります。
また普段聞けない官僚側の言い分も聞くことが出来ますので、時間があるとき一度ご覧になってみてください。
今回は内容そのものよりも、政府との交渉について考えてみました。
また何だか不自然で分からないことを、少し整理してみました。


「子どもは食べる量が少ないから安心」に唖然――安全な給食求める母親ら省庁に質問

週刊金曜日 9月20日(火)18時21分配信

 子どもたちの放射能被害防止に取り組んでいる市民団体「いのちを守るお母さん全国ネットワーク」は八月二六日、国会内で各省庁の担当者を招いて「安全なお米を給食に!目指せ子どもの内部被曝ゼロ」と題した集会を開いた。

 同「ネットワーク」は、給食に使われる食材の安全性に疑問を抱き、最初、七月に農林水産省と交渉した。だが、担当者は「給食は文部科学省の担当」「食品の安全基準値は厚生労働省」「産地表示は消費者庁」と回答するだけで、国民の命にかかわる問題が「縦割り行政」によって処理されている。

 そこで農水省と厚労省、文科省、消費者庁、そして食品安全委員会の担当者を一堂に集めて要請することになったもの。この日の集会には、母親ら六〇人が参加。省庁側からは一六人が出席した。

 集会では、米の安全性に焦点をしぼり、最初に「ネットワーク」側が「主食である米のセシウムの基準値が、五〇〇ベクレル/Kgなのは高すぎるのではないか。ベラルーシでは一〇〇ベクレル/Kgだ」と質問した。
(27分頃~)


 これに対し厚労省は、「子どもは、食べる量が少ない。本来、幼児は一六八六ベクレル/Kgまで大丈夫だが、大人の基準である五五四ベクレル/Kgに合わせているので安心だ」という、驚くべき答えが返ってきた。子どもは大人より放射能の影響を受けやすいにもかかわらず、基準値が三倍以上も高いというのはなぜなのか。(30分頃~)

 さらに厚労省側は、セシウム以外の放射性物質について、三月に発表した基準値のなかに、「世界で初めて」プルトニウムやウランといった核種の食品包有量として一〇ベクレル/Kgと定めていると発言。これに対し会場から、「一〇ベクレル以下なら体に猛毒のプルトニウムを入れて大丈夫というのか」との抗議があがった。省側は「まだ食品のウランやプルトニウムの値は測っていない。文科省が原発の敷地内で測ったデータで、測る必要がないと判断した」などと語り、実際に測る予定がないという矛盾した答弁をした。

 今秋以降、米の産地の偽装表示が大きな問題になることが予想されるが、「偽装を防ぐための新しい工夫は考えているのか」という質問に対し、消費者庁側は「通年通り」としか回答しなかった。


(増山麗奈・画家、9月9日号)

最終更新:9月20日(火)18時21分

週刊金曜日


真剣なやり取りが続きました。
市民の皆さんは、本当に良く勉強されていて感心しました。
国のお役人をいじめる?場面もありますが問題なし!

会場風景(奥が官僚・手前が市民)
交渉会場
市民の熱心な質問・要望
市民の質問

官僚側も真剣な答弁
官僚答弁
川田龍平議員も参加
川田議員

結果的には、市民の追及と官僚答弁の応酬で、結論は出ませんでした。
国との交渉は、どうしてもこのような構図になってしまいます。

官僚は「子供の安全を守るために話し合い、良い方法を見つけましょう」とは考えません。
自分達の枠があり、その枠内の事を聞かれたら答えると言う姿勢です。
したがって枠内のことに関しては、非常にすらすらと詳しく説明します。
枠から出た質問に対しては、何とか枠に収まるような答を作り出すことに専念するようです。
(自分達の担当外の場合は、「答える立場にない」と言う答弁もその1つです)
この時点で質問の本筋とは、関係ない方向に向きはじめます。
更に困ると質問と関係ない答弁を繰り返します。
聞いていないことを説明し始めます。
だから話はまったく噛みあわなくなります。
ここで市民は怒りを表し、話が中断してしまいます。

市民側の質問や要望は聞いていて、本当に良く理解できます。
聞きたいことは各人が山ほどあり、いくら時間があっても足りないと思います。
まして仕事や家事の合間に時間を作り、一生懸命調べたことに対して誠意のない答をされたら、本当に怒りがこみ上げてくると思います。
官僚側は仕事として時間・人員・組織・経費を使い、調査したり準備することが出来、生活を保障された中で、決められた答弁をしていれば良い訳で、余計なことさえ言わなければ責任は問われなくてすみます。
また官僚側も権限がないので、新しい結論を出したくても出せないと思います。


そんな中の次の質問で、本音と思われる部分がありました。
(太字の部分ですが、他の官僚側の答弁も参考までにご覧ください)

1.今の対策で本当に安全だと思いますか?一人の人間として答えてください。(質問)

動画2:33:45頃から→→

(官僚の皆さんの話)
(食品安全委員会の方)私は今の対策で十分だと思っています。家族にもそう伝えてあります。

家族にも同様なことを説明しています。牛肉は高いしあまり食べないですけど、ここが買い時だと思って買いに行かせますよ。冗談だと言われたらそれまでですけど。
全体的に科学的根拠もない。500Bqが安全かどうかも個人的な感情、私は家族にも同様な教育をしてます。

私は高齢者で孫もいます。先ほど食べて応援しようという話が出ていましたが、まさに食べて応援しようをお願いしています。当然私のところも、ごぼう・牛肉・野菜の詰め合わせセットを農林省の前で売ったり、地下の生協で売ったりしてますが。満員電車でチョット恥ずかしいですが、両手に持って家に帰ってます。

私の場合は厚生労働省で示している、食品法上の暫定基準値、これを基にして各省庁がそれぞれの対応をしていると言うことですので、今流通しているものは安全だと考えています。

(農林水産省)政府として基準値を決めた以上、それを食べても安全だと考えています。実際農林水産省といたしましても、福島産のものを積極的に食べようとかをやっておりまして、実際私共も農林水産省の方でそういったフェアとかやっているんですけど、積極的に購入を勧めています。

全員が今の対応・基準値でまったく問題ないという答弁でした。(もちろんこれは本音ではないと思います)
ただし上記官僚の一人が発言していた「全体的に科学的根拠もない。500Bqが安全かどうかも個人的な感情」は本音だと思います。
現時点では、安全とも、危険とも100%断言できない状態です。
だから国は安全だと言う意見を採用し、国民は危険だと主張する!こんな不毛な議論が続いてしまいます。
国民が望むことはこのような場合、安全と断言できない限り危険だと判断し対応することですが、とても今の政府には期待できそうにありません。


今回に限らず原発事故以来、何度も福島県の市民団体の皆さんと国の交渉がありましたが、ほとんど拒否されていると思います。
4月に行われた20mSv問題は、多くの基準の根底にある重要な項目ですが、いまだに明確な答えが得られていません。

その原因を突き詰めていくと、「民意が足りない」ということに行き着くと思います。
原発問題でなければマスメディアが取り上げ、多くの国民がそれを認識し急速に民意が拡大、政府も無視できなくなります。
しかし原発問題は、例えば「20mSv問題」・「暫定規制値500Bq」や「先日の脱原発5万人デモ」さえ知らない人が、私の周辺にはたくさんいます。おそらく皆さんの職場でも学校でも隣近所でも、知らない人が圧倒的に多いと思います。


2.9/26クローズアップ現代で次の表が放送されました!

そんな中9/26に放送されたこの表を見ると、日本の基準値はそんなに高くないのかなと思ってしまいます。
市民団体の皆さんの訴えとは、まったく対照的です。
どちらが嘘をついているわけではなく、見方によりどちらも間違いを100%証明できません。
結局、「安全」「危険」は、個人の判断ということになってしまいます。
500Bqの基準値
※この表についての評価はこちらのブログで詳しく解説されています。■kingo999さん→→いるかちゃん→→

問題は、「クローズアップ現代」と「市民団体の訴え」を比べると、圧倒的に前者の方が認識度は高いということです。つまり先ほどの官僚の人たちの意見が、正しいと認識されることになります。
悔しいですね!
しかし悔しがっていても何も変わらないので、ネットや口コミで少しづつでも事実を伝えて行きましょう。
マスメディアの目や耳から入った情報は、根っこが浅いので変わりやすいものです。

3.現時点では諸問題の解決には、国より市のレベルから交渉していくことが効果的だと思います。

国への要望が中々届かない中、市民の地域社会での活動が着実に成果を上げ始めているようです。
こちら→→
市役所の職員も地域社会の一員であり市民に最も近く、問題意識を共有できる点が国や県と異なると思います。
また住居からの距離が近い点も大きいと思います。
直接訪問することで、電話などでは伝えきれないことも、気軽に相談することが出来ます。

しかし従来から福島県の状況を見てきて、不安に思うこともあります。
本来最も被害が大きく、市民と市が一体となり復興に向かわなければならないはずですが、どうも放射能問題に関しては事情が違うようです。

つい最近も(9/24)NHKニュース(福島ふるさとニュース)で次の放送が流れていました。
これを見た県外で食の安全に不安を感じている人達にとっては、この郡山市の方針や農家の人たちに疑問や怒りを感じるのではないでしょうか?そう思わせ民意を分断するのも、政府の意図することなのでしょうか?
頑張ろう市01

風評被害を受けている県産の野菜を応援しようと「こおりやまがんばろう市」として開かれました。郡山市で生産された果物や野菜を販売する50あまりの出店が集まりました。
これは福島県の農民の皆さんの総意なのでしょうか?
100%安全と断定できない現状で、このイベントは正しいことでしょうか?
疑問が残ります。
頑張ろう市02

このお父さんは「風評被害など気にせず、生産してもらえれば食べるもんね」と子供に話していました。これが事実なら、このかわいい子供の体内には、毎日少しづつ放射性物質が取り込まれています。
それがどのような影響を与えるか分からないまま!
この事実が一番怖いと感じます。
今回の市民団体の「食の安全に関する要望」とこの「こおりやまがんばろう市」も、まったく相反するものです。
もしこれが郡山市民の総意に基づくものなら、我々は郡山市の全ての生産物を拒否するしか、自分を納得させ子供を守る方法はありません。
ただ生産者の方たちからも、作ることへの疑問・出荷することへの疑問・食べることへの疑問の声があるようです。
4月の福島県農民連事務局長のメッセージは今でもはっきり覚えています。
ご存知でない方は是非ご覧ください。

しかし県知事も郡山市も「安全です」「食べて応援しましょう」とキャンペーンを実施しています。
下図は文科省が発表している、セシウム134・137の土壌への沈着量です。(10万~30万ベクレル/㎡)
汚染物質の排出量は東電の発表しているデータです。(2億ベクレル/時)
しかも全数検査は実施されておらず、これで安心して食べてくださいと言われても無理な話です!

郡山汚染

郡山市ではこの「こおりやまがんばる市」だけでなく、「ふくしま集団疎開裁判」も起きています。
これは子供たちの安全を考えた時、郡山市民が全員賛成しても良い権利だと思います。
現在合計2万2000人以上の署名が全国・全世界から集まっているようですが、郡山市民の署名数はどの程度なのでしょうか。郡山市民は約33万3千人です。(H22.3.1現在の有権者数 計267,426人)
もし郡山市民の大多数が望めば、市から出ているあまりにも誠意のない答は出せないと思います。
(市民が努力をして積み上げた資料に対する、あまりにも誠意のない回答。)

またこれは6月に取り上げたものですが、飯館村の若者のツブヤキです。
最近のツイッターで確認しても、村民と村(村長?)のヅレは解消していないようです。
飯館村の村長は良くテレビで見かけますが、本当はどうなのか?県外からは分かりません。
飯館村村長

また先日取り上げた山下教授罷免の署名活動では、その署名数が福島県内有権者の僅か0.4%でした。
福島県の多くの人は、この山下教授を受け入れているのでしょうか?
国際会議

これ以外にも山ほど、民意のねじれ現象と思われる理不尽なことが発生しています。
原発事故で最も被害を受けている、福島県民の皆さんが一番まとまって欲しいと考えることは、おかしなことでしょうか?
しかし先の事例でも、何かが違うように感じます。
今何が起きているのか、本当の状況が県外からは見えません。
理由をあれこれ想像することは出来ます。
津波で、原発で、家族を亡くし、友人を亡くし、財産をなくし、仕事をなくし、位牌やアルバムなど、心のより所をなくし、それどころではないかもしれません。
しかし日々被曝している子供がそこにいます。(9/27郡山空間線量0.86μSv/h)
粉塵や飲食物による内部被曝も加わります。これで安全とどうして言えるのでしょうか?

もしこの値が首都圏で関西で観測されたらどうでしょうか?
ホットスポットではなく全域にわたる数値として、0.86μSv/hが観測されたら。
明日も来月も来年も続くとしたら。
市民は市役所へ・区役所へ・県庁へ・都庁へ殺到すると思います。
でも福島はそうではありません。(少なくともそのように見えます。)

郡山の線量
また国や県や市や東電の理不尽と思える出来事がいまだに続いています。
つい最近では「損害賠償請求書」問題です。東電の廣瀬直己常務取締役も次のように話しています。
「資料の記載方法が非常に分かりにくいとか、そもそも分量が非常に多いとか、あるいは合意書の内容が非常に高圧的だというようなご意見・お叱りをたくさん頂戴している」
普通の社会常識では考えられない、本当に高圧的で無礼なやり方です。
独占企業の体質がそのまま現れています。東電と仕事をしたことがある方は、良くご存知だと思いますが。

また「枝野幸男経産相が『分厚い書類でひんしゅくを買っている。あ然としているので厳しく指導したい』と発言」と言う記事もありましたが。
これも発送前に当然政府がチェックするべきだし、少なくとも発送してから一週間程度経過し、みんなの反応を見てから話すことではないはずです。これが今の被災者の方にとって、どれだけ重要か誰でも分かることです。
もちろん他の大臣も同じで、何にも役に立たない言葉を並べているだけ。
本当にむなしいですね。

それらを目にし同じ日本人として何か役に立ちたい!しかし日々の生活に追われ、満足に福島県をサポート出来ない人も多いと思います。
多くの市民団体や個人の人が福島県に入り活躍する姿、頭が下がる思いで見ています。
しかし正しい状況が分かればその中でも、何か役に立つことを見つけられるかもしれません。

まず福島県の方は県外に向け、遠慮なく・あきらめず情報を発信し続けて欲しいと思います。
例えば全数検査の体制が出来るまでは、農産物は全部まとめて東電に買い取らせて欲しい!
その思いは全国でとても強いと思います。
そのためには何が必要ですか?そんなことも是非発信してください。
また福島県の民意がまとまるためには、何が一番必要なのでしょうか?
それも知りたいと思います。


今の状況を冷静に考えれば、どう考えてもとても危険な状態だと思います!
理屈では「安全」「危険」が見方で変わってしまいます。
でも「危険だと感じる気持ち」が、普通に持つことが出来る正しい答えだと思います。
数字を並べること・理屈を並べることは出来ても、政府はそれでは解決できない、大きな不信感を国民に与えてしまいました。
おそらくこれからも、この不信感は消えないと思います。
最長あと2年この不信感に耐えようと思います。
2013年の衆議院選挙では、歴代の政府・今の政府の数々の行いに対して、はっきりした意思表示をしましょう。
今度こそ間違えないように!


それまでは地域社会で連携し、自分達で守っていかなければならないと思います。



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[2011/09/29 12:55] | 福島県関連 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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